2013年12月15日

言葉のかたちとデザイン 2013, no. 2

女子美術大学図書館主宰タイポグラフィ特別講座

佐賀一郎

ふたたび女子美術大学図書館が主宰するタイポグラフィ特別講座「言葉のかたちとデザイン」の告知ポスターを制作した。今年で二回目の開催となる本イベントでは、特別講演を羽良多平吉先生にご担当いただき、僕は昨年度に引き続き特別講義とワークショップを担当した。制作したポスターは、担当した特別講義のテーマ「画面と言葉」をイメージしたものである。

先日、女子美術大学相模原キャンパスでの特別講義、ワークショップ(全2回)が完了し、若干の余裕ができたのでエントリーを残しておく。


女子美術大学図書館主宰タイポグラフィ特別講座[言葉のかたちとデザイン]A全ポスター。使用書体:游明朝体M・D+游ゴシック体B+Times New Roman Regular

2003年に修士課程の大学院生として女子美術大学に入学した時から数えると、今年度でちょうど10年の歳月を女子美で過ごしたことになる。10年目のこのタイミングで、こうした仕事に巡り合わせることができているのは、なんと不思議で、幸せなことだろう。美術教育も美術大学も知らない状態で入学し、女子美生に美大生の心得や道具の使い方から教わったことを思うと、なおさらその思いがつのる。学校は本当に不思議な、特別な場所だと思う。

余談/ポスターが有効に機能するのも、学校が「場所」として機能しているからだろう。ポスターは、その性質上「場所」を必要とするメディアなので。そのように考えれば、書籍における「場所」とは、書籍を持つ両手の間にあるのだろう。懐(ふところ)という言葉があるが、これは人の身体が生来備えている固有の「場所」を表現する言葉でもあるのだな……だからこそ、懐は赤ん坊の居場所にもなるわけだな……。

今後、一連の講座内容を『記録集』として残すための編集制作作業が残っている。最後の一仕事である。