2014年1月11日
向かいのホームで、携帯電話を耳にあてて、直立不動。
通話待ちの、今にも頭を下げ、お辞儀をしそうな風情である。
そういえば、つい先日、自分が言われたことである。
そして、「社会人ですね」という味わい深いコメントを、
もらったのだった。
パントマイムである。
駅のホームが、すなわち舞台である。
そして、向かいのホームからすると、こちらが舞台となり、
対向した舞台、もしくは見開き状の舞台がここに誕生する。
登場する電車、乗客は、さしずめ場面切り替え装置である。
さて、早速ここで場面切り替え──。
これは、相手を鑑賞しつつ、鑑賞される自分を思いながら演じる舞台である。あるいは、相手になりきる自分と、相手がなりきる自分を思う舞台である。
あなたとわたし。
書割と書割、書割の書割。
2人称の劇場、2人称のゲーム。
あれか、これか、
あれや、これや、
あれも、これも、
それとも……、あれ、これは人生?
電車が到着する。
ドアが……、開かないので「開く」ボタンを押す。
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